京都の納涼床をたしなむ

鴨川納涼床は、むし暑い京都の夏に少しでも涼を感じるために、先人たちが知恵を絞り工夫を凝らして生み出した文化です。

現代風にいえば、趣のある和風ビアガーデンといったところでしょうか。
今回は、暑い京都の夏ならではの風情ある食事の楽しみ方「鴨川納涼床」デビューをお考えの方に、鴨川納涼床を120%楽しむコツをお教えします!

納涼床のエリア紹介
毎年5月から9月、二条通~五条通にかけての鴨川西岸には、納涼床が登場します。
夏の京都には欠かせない風物詩でもあり、河川敷に等間隔で並ぶカップルたちの姿や、水面に映る空の色の移ろいを眺めつつ、川床で味わう食事は格別です。
南北に長く連なる鴨川納涼床は、4つのエリアに分かれています。それぞれのエリアについてご紹介していきますね。

■上木屋町(かみきやまち)エリア
木屋町二条南~三条大橋北側までが、上木屋町エリアです。上木屋町エリアで特に有名なのが、大正初期に創業の「新三浦」。女優の森光子さんの生家として、ご存じの方も多いのではないでしょうか。現在は、水炊きの名店として知られています。

■先斗町(ぽんとちょう)エリア
三条大橋南側~四条大橋北側までが、先斗町エリアです。鴨川納涼床4つのエリアの中で最も店舗数が多く、バラエティーに富んだ40店舗が軒を連ねています。

■西石垣エリア
四条大橋南側~団栗橋(どんぐりばし)北側までが、西石垣エリアです。鴨川納涼床4つのエリアの中では最も店舗数が少ないですが、いずれも個性豊かな10店舗が立ち並びます。

■下木屋町(しもきやまち)エリア
団栗橋南側~松原橋までが、下木屋町エリアです。このエリアで圧倒的な知名度を誇るのが、老舗の水炊き店「鳥彌三(とりやさ)」。あの坂本龍馬も愛したという名店で、登録有形文化財に指定された建物が歴史を感じさせます。

気になるのは「どんなお料理が楽しめるか」
鴨川納涼床といえば、高級料亭や割烹といった敷居の高いイメージを持たれがちです。メニューも日本の伝統的な会席料理などを思い浮かべる方が多いかもしれません。

 でも、実際には本格的な和食はもちろん、フレンチ、イタリアン、中華、タイ料理などバラエティー豊かなお店がたくさん!
 肩肘張らずに楽しめるカジュアルなレストランや居酒屋などは、気軽にリーズナブルに利用できますよ。

ドリンクだけでも楽しめるお店
鴨川納涼床では、予約をしてランチやディナーをゆったりと楽しむのが一般的ですが、実はドリンクだけでの利用ができるお店もあるんです。
例えば、先斗町エリアにある大人の雰囲気たっぷりのバー「ATLANTIS(アトランティス)」や、西石垣エリアにあるレンガ造りの建物が印象的なバー「SENT JAMES CLUB (セント ジェームス クラブ)本店」など、夕食を終えた後にカクテルを楽しむ“2軒目のお店”としての使い方も可能です。

 また、上木屋町エリアにある「スターバックスコーヒー 京都三条大橋店」では、床料はかからず、通常のメニュー料金のみで床席の利用OK。毎年行列ができるほどの大人気です。

鴨川納涼床アクセス
京都市中京区・下京区 鴨川右岸(西側)一帯  ※利用店舗によります
●地下鉄東西線「京都市役所前」・「三条京阪」
●市バス「京都市役所前」・「四条河原町」・「河原町五条」
●京阪電車「三条」・「祇園四条」・「清水五条」
●阪急電車「京都河原町」

今年の夏は、密を避ける意味でも、開放的な空間で楽しめる鴨川納涼床に熱い視線が注がれています。京都の夏旅の思い出に、ゆっくりと鴨川納涼床を訪れてみませんか?